1)概要
①はじめに
いままでGWには、だいたい小川山に行っていた。
もちろん今年もどこかに行くことは考えていたが、自分自身、小川山は結構登りつくした感があったので悩んでいた。
ちなみに、これは、小川山にある約700のルートを全部登ったわけでは、もちろんない。
実際には「登れるところは登って、登れないところが残っている。」ということである。
悩む点はもうひとつ。小川山は大阪から行くとするとかなり遠くて、最近前期高齢者になってしまった私にはなかなかに辛い。
そのとき、ふと笠置山のことを思い出し、調べ始めた。
この笠置山、手元の「日本の100岩場」を読んでいて、ボルダーばかりで、ルートはあまりないと思っていた。
調べてみると、ルートはどうやら100本くらいあるらしいというのが分かったし、そもそも大阪から近いということもあり、ここに行くことに決めた。
次は宿泊地。どうやら無料のキャンプ場もあるようだが、初めてなので様子がわからない。
だから、近くにある(らしい)望郷の森キャンプ場を予約した。
ここは一泊3,300円もするので予約の時は躊躇したが、もし岩場がだめだめだったらキャンプを楽しもうと割り切り、2泊の予約と奮発した。
②参加者:H網、Y村、A山(Ⅼ)
③行程概要:
5月2日(木) 大阪で二日分の食料を買い出しし、恵那で食事と入浴。無料キャンプ場で宿泊。
5月3日(金) 大岩ごけエリアの大岩展望の岩でクライミング。望郷の森キャンプ場泊。
5月4日(土) 猪待ち(いのまち)西エリアのプレジャーロックでクライミング。望郷の森キャンプ場泊。
5月5日(日) 3日と同じ。クライミング後、帰阪。
2)岩場の状況
①クオリティは高い。岩の組成は溶結凝灰岩で、ルートは十分な高さがある。
ちなみに溶結凝灰岩とは「火山の噴火によって空中に放出された噴出物が地上に降下した後に、噴出物自身が持つ熱と重量によってその一部が溶融し圧縮されてできた凝灰岩の一種。」Wikipediaより
プロテクションはグージョンボルト。稀にケミカル。
②グレードは辛め。中には極端に辛いものもあり、私は10bがオンサイトできなかった。
③トポ
「Kasagiyama Climbing Guide2022」を使用。4,400円。
やはりボルダーが中心のトポだが、各エリア解説の最後にルートルートの解説がある。
数えてみたら全部で67本。
④アプローチは至近
今回行った二つの岩場の状況。
大岩ごけ 大岩展望の岩 アプローチ3分
猪待ち西 プレジャーロック アプローチ10分
⑤岩場から携帯がつながる。というか有料キャンプ場にKDDIの基地局が立っていて、電波はばっちり。
⑥望郷の森キャンプ場
行ってみたら岩場から車で5分くらいと至近。なにより快適の一語。
特にトイレのウォシュレットに感激。詳細後述。
3)報告
①5月2日(木)
キャンプ場の近くにスーパーがないようなので、二日分の買い出しを大阪で終え、お昼すぎから恵那に向かう。
恵那インターを降りて、晩御飯をいかにも地元のパスタ屋さんで食べ、岩場に向かう道をちょっとそれたところにある湯快リゾートのお風呂に行く。
このお風呂、1,000円だが、既に「攀」のデザインのTシャツを着た人がいた。
そういえば、パスタ屋さんにもクライマーらしき人がいた。
岩場利用には使用料が必要だ。既に暗くなったなか、入山受付所で一日分300円を集金箱に入れて、今宵の宿、無料のキャンプ場でテントを張る。
先客が一人いただけ。
②5月3日(金)
朝起きたら、こんなところだった。
要するに棚田みたいなところに張るシステムだ。
車に満載のキャンプ道具をおろしたかったので、とりあえず有料キャンプ場に向かう。
時間は8時ころ。
ちょうど従業員らしき人が来たので、チェックインできないか確認したところ、電話を取り次いでくれた。電話で話したスタッフの話では、休日のチェックインは13時から。
それでも、その人は11時にこちらに来られるようなので、それまで周りの見学することにした。
笠置山山頂近くの駐車場には展望台があって、広大な景色が広がっていた。
そのあと、大岩ごけエリアの見学に向かった。
岩場を一目見て思ったのは、「これって本当に10a???」
いつもはじめての岩場では、10aのルートを登ってその岩場のグレード感をつかんでいた。ところが、観察したルートのスタートがなかなかで、ほんまかいなという感じだった。
11時に無理を言ってチェックインして、場所を確保したあと、本格的にクライミングをしにいった。今日は大岩ごけエリア。
まずは三ツ星がついていたゆず祭り5.7を探した。
実はこのルート、先ほどの岩場見学ではガイドブック片手にいろいろ捜索したが、なかなか見つからなかった。見当をつけて大岩展望の岩を回り込むとそこにあった。
ちなみに道路からアプローチ30秒。
まずはそこでアップ。全員オンサイト。
そのあとH網は右隣の笠置山賛歌5.8をオンサイト。
A山は、大岩ルート10aをオンサイトし、H網もフラッシュ。ここまでは良かった。
問題は次の知足10bだ。
常連さんがアップで登ると言っていたけどテンションしていたので、びびっていた。
取り付いてみると、案の定悪い。
特に出だしが悪い。1ピン目はチョンボ棒で取るとして、2ピン目までが激悪。
常連さんに聞くと、笠置山のルートは出だしが悪いのが多いらしい。
いきなり笠置山の洗礼を受けた。
ゆず祭り 5.7
笠置山賛歌 5.8
それでもなんとか数便で落とし、今日は終わり。
早めだが楽しいキャンプの始まりだ。
このキャンプ場展望が素晴らしい。
天気も素晴らしく、展望を思う存分楽しめた。
彼女たちが眺めている先にある白い山は白山。
そして右手には雄大な姿をした乗鞍岳。
これが今回の我が家。
唯一の隠れた、ひっそりした場所をあてがってもらった。
そして美食三昧が始まった。
H網が作っているのはアメリカ風ハンバーガー。
豚と牛のあいびきミンチを塩コショウで味付けして、フライパンで焼いていく。
その手際の良さには、Y村もA山も口があんぐり。
A山はビールを飲むしかやることがない。
そして、実食。
うーん、たまらん。
引き続き、楽しい時間は過ぎていき、ビールを飲みまくっていた私は眠くなり、明るいうちに
テントで寝てしまった。
ちなみに、今回キャンプにきて初めてたき火をしなかった。
こんなの初めてだ。
②5月4日(金)
今日は昨日常連さんに教えてもらったプレジャーロックに向かった。
大岩ごけで「めっちゃ辛いですね」と言っていたら、「あそこなら登りやすい」と聞いたからという、少々不遜な考え方だ。
チョコクロワッサン5.9でアップ。
H網もオンサイト。
H網はタルト5.9にトライ。難しいらしい。それでも無事RP。
私は今日のメインディッシュのキャットパワー11aにトライ。
このルートの核心部はレイバックだ。
なかなかパワーが必要なムーヴだし、レイバックしている間はプロテクションが取れない
ので超怖い。なんと2撃目では、レイバック中に墜落。そのときロープがちょっと足に触れた
ため、あおむけになってしまった。
それでも3撃目になんとか落とせた。いつものとおり吼えまくりながら。
キャットパワー 5.11a
H網も私も全身全霊を使ったので、早々に終了し快適なキャンプ場に戻った。
A山が「アヒージョおいしーじょー」とアホなことを言ったりしていると、例のベンチのところで大自然のショーが始まった。
美しくて感動ものだったが、私は既にかなり酔いが回っており、やっぱりこの日もたき火はせず、テントに入った。
アヒージョ
日没
③5月5日(日)
三日もいるとやはり疲れてくる。
このまま帰ろうかと思ったが、アプローチの近さを思い出して、大岩展望の岩に行った。
アップでBBG5.8をやって、H網は右隣のBBQ5.8をトライ。
オンサイトはできなかったので、降りてくるときヌンチャクを回収しようとしたのを、秋山が止めて、もう一回トライしてと言ったら、ぶつぶつ文句言いながら残置。
それでも二撃目は登ってしまうんだから、簡単に諦めないのが大切かと。
人に偉そうに言ってしまったので、自分はカロリ10cをトライ。
このルートの作成者は小山田大さん。
どこかの記事で、「大ちゃんの作った10cだから。。。(難しいのに決まっている)」というのを読んでいたので、真剣勝負をかけた。
結果、オンサイトはならなかったけど、二撃でRP。
やっぱり今日も笠置山にやられまくって、帰阪の途についた。
もちろん、入山受付所では2日分の使用料を払った。
笠置山、舐めたらあかんぜよ。
BBQ 5.8
カロリ 5.10c
4)感想
①H網
瑞浪からすぐのボルダーエリア笠置、実はそこにマルチルートやフリールートがあると聞き、キャンプも楽しみに行ってきました。
最初に泊まったフリーのキャンプ場は水こそ枯れていたものの、ちゃんとしたトイレも設置されており、テントも張りやすく静かで良いところ。次の、一泊3300円のオートキャンプ場は、とてもおしゃれな雰囲気で、ウオッシュレットつきのトイレや、温水設備(途中から故障で出なくなったけど)、シャワー(一度に入るとお湯がでないけど)に感激。ほとんどがキャンパーの大きなテントやタープで埋め尽くされましたが、わたしたちはひろびろしたプライベートスペースにそれぞれの個人テントでタープも張って過ごしました。朝夕山々の絶景が見られる素晴らしいロケーションでした。うるさく騒ぐ人もなく、いいところです。
クライミングのほうは、寒いくらい風が通る大岩エリアと、まったり木陰が気持ちいいプレジャーランドへいきました。圧倒的にボルダーさんが多かったですが、滋賀や地元のリードクライマーさんたちともご一緒しました。
岩はなかなかかっこいい岩が多かったです。
とにかく、レベルが高い!難しい!細かいカチとスメアが多く、バランスの悪い乗り込みやレイバックに泣かされました。いつもは、「ト、ト、ト、トップロープ~~?」といって、トップロープさせてくれないA先輩が、なんと自ら地盤がRPした10cや11aにトップロープを張ってくれました。それでも、上に行けない。。。
しかし、関西からのこの近さ、快適さは捨てがたい。もっと簡単なルートを作ってほしいのが本音ですが、またレベルアップして挑戦したいと思います。
②Y村
前泊地で寝る準備をしていると、
なんだか左足のハムストリングスに違和感が‥
登る気満々で笠置にやってきたのに、と思いながら寝ました。
が、朝になっても治らなかったので無理はせずビレイに専念することに。
この3日間で大岩エリアとプレジャーランドに行きました。
どちらも岩場が駐車場から近く、アプローチは楽で良かったのですがグレードがトポより2つほど?辛そうに感じました(^_^;)
実際に登ったメンバーが辛いと言っていたので、やはり辛いんだと思います(笑)
でも、あのアプローチの近さは魅力ですね。
岩場の近くにあるキャンプ場に泊まりましたが、なんと快適なキャンプ場!
シャワー有り、トイレはウォシュレット、炊事場はお湯がでます。
しかも絶景が見られるロケーションです。
私達が泊まったスペースの横にベンチがあり、白山、乗鞍岳が見えていました。
美味しい食事に、楽しい会話、快適なキャンプ場ということ無し!
今回はクライミングができなかったので是非また行きたいです。
落ち込んで帰ることになるかもしれませんが、それもまた勉強ということで。