全体像とクライミングトポについて
【メンバー】 A山 ぽっぽ会からS山さん、H川さん、H網さん、その他 3名のみなさん
【日 時】 2024年01月10日(水)夜~29日(月)
なかなかに寒い日本を後にして、常春、いやいや常夏のタイ、クラビ県にある世界的観光地にクライミングに行った報告です。
ここは、まさにリゾートクライミングと言う名前そのもののところです。
毎日Tシャツを汗びっしょりにして、クライミングに励みました。
ビレイヤーと言う大切な人を必要とするクライミング。
今回、事前に皆さんにいろいろお願いし、というか無理を言い、代わりばんこに来ていただきました。本当に皆様には感謝する次第です。
1)日程概要
1月10日(水) 関空発
1月11日(木) クラビ空港着。ホテルチェックイン。
1月12日(金) ぽっぽ会第一陣お迎え。H川さん、H網さんと合流しクライミング開始。
1月14日(日) ラオス合宿に向かうH川さんお見送り。以降H網さんとクライミング。
1月15日(月) H網さんとフルムーン(???)でピピ島ツアー。
1月17日(水) ラオス合宿に向かうH網さんお見送り。
1月19日(木) 単独で周辺観光。
1月20日(金) ぽっぽ会第二陣お迎え。S山さんとその他二名様と合流しクライミング。
1月24日(水) S山さんご一行お見送り。
1月25日(木) 昨年ラオスで知り合ったH水さんと合流してクライミング。
1月28日(日) H水さんと二人でクラビ空港発。
1月29日(月) 関空着。
全20日の行程中、クライミングしていないのは8日。
残り12日はどこかしら登っていました。
2)全体説明。
①まずは世界地図から。
タイと言う国がどの辺にあるかは皆さんご存じだと思いますが念のため。
この地図の青丸印があるところが、泊まったところ。
②タイの中のクラビ県
青丸印が泊まったところ。西(左)のほうには、これまた有名なプーケットがある。
③周辺
①
②
③
④エリア
クライミングトポから参照したもの。
丸数字が付いているところが全てクライミングエリア。
ざっと言って50か所か。
アオナンビーチに宿泊した場合、そこから岩場へはボートで向かうことになる。
その航路を青矢印で示した。
通常ボートは6人以上の乗合で行き、一人100バーツ。また行先はトンサイとライレイウエストのみ。
プラナン半島の東側にはライレイイーストまで行ったほうが近いのだが、そこにはプライベートボート(8人以上)でしか行かないシステム。(“ P ”で示した。)
イーストまでいくボートはないのかと何回か聞いてみたが、「ウエストから15分くらいなので歩いてください。」と回答は全て一緒だった。
なお、プラナンビーチはボート進入禁止のようで、停泊している船は無かった。
(“ × ”で示した。)
3)ガイドブック
①Rock Climbing in Thailand and Laos
この本は日本でアマゾンで購入した。3,500円くらい。
UPDATE2023のマークがあるが、これは別冊で挟み込んである。
③ガイドブック比較
・ルート同定のわかりやすさ
①のトポは手書きの図に対し②は写真なので、ガイドが言うようにルートを同定する際にわかりやすい。
・ルート説明。
②はポケットというだけあって、ルートの説明は最小限というか無い。
ルートの説明自体は①のほうが豊富。
“Super” や“Shares the first bolt with~”など参考になることもあり。
また、”Long move over the bulge”と書いてあったりするので、チビにはつらいことがわかる。
・ハンドリング
説明の量と内容から①が厚くて重く、②は薄くて軽い。
そのため、私は登りたいルートの様子は①で調べて、現地には②を持って行っていた。
岩場に至るビーチまで
1)空港からホテルまで
①航空便
日本からの飛行機が着く飛行機がここ。
私は関空からシンガポール経由でここに来た。
シンガポールはクラビの南東にあるので、ちょっと遠回りだが、スクートというシンガポールの格安航空会社で安く、かつ通し(自己乗り継ぎなし=スーツケースの載せ替えなし)で来れるのでこのルートにした。
でもシンガポール・チャンギ空港で10時間ほどの乗り継ぎ時間あり。
他の皆さんは、クアラルンプール乗り換えだったり、バンコク乗り換えだった。
②空港からの足
クラビ空港からは乗合タクシーに乗った。
私は路線バスがあるのかなと思っていたが、実際にはなかった。
飛行機から降りると、たくさんの客引きがいる。
ぼられるのが嫌だったので複数に聞こうとしたのだが、どうも最初に声をかけた客引きに優先権があるようで、一回話しかけられたあとに、別の人に聞こうとしたら「もう決まっているんだね。」と引いて行かれてしまった。
そのため、言われるがままワゴン車に乗せられた。
値段は150バーツ。
この値段、ぼられているのではと不安だったが、そのあとクラビの街のいたるところに貼ってあるポスターを見て安心した。全部が150バーツだったのだ。
このクラビ、世界的な観光地だけあって、料金が統一されているようだ。
③ホテル
もちろんホテルは山のようにあるが、私は二つのホテルに泊まった。
ライザホテルは同宿の人がいるときに泊まった。でも一人で泊まるのは高かったのでドリームガーデンに移った。
ドリームガーデン、入り口がちょっとやばそうだったが、中に入るときれいでびっくりした。一人旅にしてはちょっと張り込んだのでよかった。
ライザホテル
ライザホテル客室
ドリームガーデン入口
ドリームガーデン客室
④ホテルからクライングエリアへの足
ホテルの前の道路はメイン道路になっていて、坂道を降りていくとビーチになる。
ビーチ直前にボートの切符売り場がある。一人片道100バーツ。
S山さんに教えてもらってわかったのだが、ここで往復買っておいたほうが良い。そうすれば帰りに乗り場の切符売り場に行く必要がなくなる。船着き場に近づくと、船頭のお兄さんに声をかけられて、そのまま船に連れて行ってくれるからだ。
購入した切符をもぎりのお兄さんに渡すと、左側の椅子で待つように言われる。
いい感じに人が集まってきたら、声をかけられ船へと誘導される。
基本6人以上だが、朝は乗る人が多いので8人やら10人のときもあった。
浜には大量のボートが並んでいる。
ビーチへの道
切符売り場
もぎりのお兄さん
ボートの列
その中の一つに誘導される。
よく見ていると船頭の青い長袖Tシャツに書かれている番号と船の番号が一致しているのがわかる。
このTシャツには“Aonan Long Tail Boat Club”という統一ロゴも入っており、制服みたいなもののようだ。
空港からのタクシーもそうだったけど、このボートも統一料金、もっと言うと、レンタルバイクも統一料金である。もちろん、かつてはなにかしらあったのだろうが、世界的観光地なので、いろいろとシステム化されているようだ。
浜辺には桟橋がない。
船から直接砂浜に降りる。
船が揺れたり、傾いたりするので、これが思ったよりバランスが悪い。
大きな身体の欧米人でもたもたしてしまう人もいた。
ボート
船頭
乗り降り
④船上から見たビーチ
トンサイとライレイの間には森があるが、ここは通り抜けができる。時間にして15分くらい。
ただ、潮が満ちているときはライレイのトンサイ側のビーチが海に呑まれるので、濡れながら歩いて行かないといけない。水深は、深いところで腰くらい。
左トンサイ右ライレイ
ライレイ
それぞれの岩場の全体像
1)最新クライミングトポから
①ボートでアプローチする岩場群
いわゆるクラビの岩場というと、いまのところこちらを指す。最新トポによると、エリアの数は33。(枝エリアを含めると42)
トポが完成されていないので、まだメジャーとは言えないかもしれないが、ノースフェースという素晴らしいエリアがある。
エリアは三つに分かれている。この岩場、70mロープが必要なほどスケールが大きく、なおこの岩場、70mロープが必要なほどスケールが大きく、なおかつ観光客が来ないので落ち着いてクライミングに打ち込める環境にある。
2)ボートでアプローチする岩場群
①大きく分けてトンサイエリアとライレイエリアに分かれる。
②印象
どちらのエリアも大きくて広い岩場がいっぱいあるが、クライマーの足が向くのはライレイのほうが多いように感じた。
その理由の一つに、ライレイからの帰りのボートの便があるような気がする。
ライレイは奥にプラナンビーチという、世界的にも有名なビーチがあるので、圧倒的に
観光客が多い。そのため帰りのボートも待ち時間がない。岩場から見ていても、往来のボートの数は圧倒的にライレイのほうが多い。それくらい人が行き来している。
それに対してトンサイからのボートはもとより観光客が少ないから、便数が少ない。
一度トンサイから帰ろうとして、切符売り場で待っていたが、1時間近く待っても他の客がいないときがあった。
やっとこさ二人来たが、それでも定員の6名には達しない。
それを見ていた切符売りの人が、「一人150バーツで」と言ったので、それで帰ってきた。
6人で一人100バーツなので、4人だと600÷4=150バーツの計算だ。
それくらいトンサイからの船は少ない。
3)アオナンビーチのホテルから歩いて行ける岩場
この図面で見ていると、大したエリアではないように思えるかもしれないが、実際に行ってみるとびっくりするくらい大きい。そして高い。
4つのエリアに分かれていて、いまもルート開拓が進んでいる。そのせいか、岩場のところに最新トポのコピーがあったりする。それもどちらかと言うと古いため、クライマーの人は“The Crag”というサイトで参照していた。
ボルトは全てケミカル。
ルート図にルートの長さが書いてなかったりするので、いまのところ、ここに行くのには70mロープがあったほうが安心できる。
4)クライミングルートコンディションについて
全てのルートに共通して言えることだが、メジャーなルートはケミカルアンカーで開拓、ないしリボルトされているので、とても安心。
ガイドブックで 「 Ti (チタン) 」 と表現されているルートがそれ。
もちろんすべてのルートがそうではないのだが、エリアの多さと、ルートの多さを考えるとわざわざプロテクションの悪いルートに取り付く必要性は無いと思われる。
岩場へのアプローチ_ライレイウエスト
1)初めに
今回、私はいわゆるクラビの岩場として知られている岩場でクライミングトポに載っている全33エリア(枝エリア含めて42エリア)のうち、8エリアを訪れた。エリアの数から言って、約2割しか行っていないことになるが、初めての人が行くエリアには行ったと思っている。
それに基づいて、解説していきたい。
2)ライレイウエストビーチからビーチ近くの岩場へ
①全体像
この岩場、ビーチから近いので、あまり時間が無い時などに利用できる。
もちろん、あんまり歩きたくないときも!
②アプローチ
ライレイビーチでボートを降りて、右を仰ぐと岩塔がある。
右の一番大きいフェース一帯がThaiwand Wall。
ここには多くのマルチピッチルートが存在する。
その左に続く森の中にWee’s Present Wallがある。
ちなみに赤丸をつけたのは何かというと、ライレイイーストのビーチからEscher Wallを通過して洞窟に入っていき、踏み跡とフィックスと梯子に導かれると出てくるところがここだから。
ここから約20mの懸垂でThaiwand Wallの取り付きに降りてくることができる。
この行程、ひとつのアクティビティのひとつになっているようで、多くのお客さんが利用していた。懸垂しないといけないところはロワーダウンで下ろしているのを見た。
話を戻す。
ビーチから岩場に向かうと、上に続く踏み跡がある。そこを登っていくことになる。
少々わかりにくいが、左の木のあるところと、右の草むらの中に道がある。
左の道を上がると3分ほどで、Wee’s Present Wallに着く。
右の道をたどると多少のアップダウンののち、15分くらいでThaiWand Wallに到着する。
後者の道はあまりよくないので、慣れない人はサンダルだと危険かもしれない。
通常の靴が推奨される。
3)Wee’s Present Wall
上述の左の踏み跡を上がっていくと、取り付きに自然に導かれる。
Wee’s左
登っている左は6b+、右は6c。これ以外にルートはある。
この左の巨大壁にもルートがある。
Wee’s中央
これはこの壁の真ん中にあるフェース。
ここはだいたいいつも賑わっている。
6aクラスが何本かあるからだろう
Wee’s右
右にもルートはある。ただ7aクラスなので、相応に難しそう。
4)ThaiWand Wall
①アプローチ
前述のビーチからの右の道、ないしWee’s Present Wallを通り越しても、アプローチできる。
Thaiwandへの道
ジャングルをトラバースやアップダウンしながら歩く道はこんな道
Thaiwand
この壁は横にも縦にも長く数えきれないルートが存在する。
Thaiwand眺め
とんがった石灰岩に注意しながら歩いていくと壁に到着し、目の前には絶景が広がる。
なお、前述した懸垂ポイントの洞窟まではグレード4のルートがある。
それを登れば、ライレイイーストに行くことは可能だが、わざわざ荷物担いで登ることもないと思った。
岩場へのアプローチ_ダイアモンドケイブ
1)全体像
①アプローチが独特
この岩場、他の岩場と独立して存在するためアプローチが独特。
そのため、個別に説明をしたい。
②岩場の特徴
手ごろなグレードが多く存在するので講習会が多く開かれている。
講習会はだいたい9時からのようなので、それまでに行けば、先にトライできる。
また、メイン壁が講習会で占領されていても、右壁に行けば空いている。
この右壁、一日中日が当たらないので、涼しいのが助かる。
2)岩場へのアプローチ
ライレイビーチに到着して、一番目立つのがこの通り。
両側にいろんなお店がいっぱいあって、なかなかに目移りする。
(ただし8:30ごろには大体の店が閉まっている)
そこを過ぎるとこんな像がある。
ちょっとなんて書いたらいいのかわからなくなる像である。
この分岐を右に行けばライレイイーストに行けるが少々遠回り。
ここは真っすぐ行く。
こんなところを過ぎていく。
分岐を過ぎるととここに着く。
これがDiamond Caveという観光地らしい。(今回入っていない)
ここを過ぎるとやがて左にこの壁が見えてくる。
写真の左側にも多くのルートが存在する。
ただ、どうしても人が多い。そのため私たちはアップをここでして、主にここで登っていた。
ここには4本ほどルートがある。
メイン壁は少し陽がさすが、ここは全くの日陰で、快適にクライミングできた。
(そうは言っても、登った後は大汗だが。)
岩場へのアプローチ_ライレイイースト
1)全体像
①ライレイイースト側への道
ライレイウエストからイーストに行こうとすると、いろいろな道があり、どれを行ったら近いのか、いささか迷うと思う。
どこの道を通ってもイーストにたどり着くことはできるのだが、ここでは一番近い道を紹介したい。
②ダイアモンドケイブに行くときの目抜き通り
この道はイーストに行くには実は遠回りだ。もちろん行けるのは行けるのだが、報告⑤で示した分岐で大きく右に曲がる必要があり、結果的に距離が長くなってしまう。
③ここでは、ライレイウエストのビーチから入って、ライレイイーストに抜け、そこからプラナンビーチを通り、Escher Wallを見て、Bat Caveという洞窟に入り、別稿のThaiWand Wallに抜ける道を紹介したい。
2)行程
先ほどの目抜き通りを左に見て、ライレイビーチに沿って、歩いていくと、いけそうな道でまずSand Sea Resortが出てくる。
ここを進んでも、イーストに行けないことはない。現に私たちは向こう側からこの道で戻ってきたこともあるが、特段怒られもしなかった。
でも、やっぱりプライベートなので、避けるとして、次に出てくるのが右の写真。
ここの道にも曲がり角やクランクはあるが、距離としては一番早くライレイイーストビーチに到着できる。
こんなふうに向こうに門のようなものが見えたらビーチは近い。
④ライレイイーストの岩場 Muay ThaiとOne Two Three
先の門のようなものを抜けたところがビーチ。そこを右に曲がりビーチ沿いに歩いていくとすぐそこに岩場が見えてくる。
右に向かうと、草むらのすぐ左がMuay Thaiというエリアで、その左にOne Two Threeのエリアが続いてる。
少し進むと、道はプラナンビーチに向かって右に曲がる。
この両エリアとも、講習会で賑わっている。ガイドがホールドを教える大声が飛び交っていて、正直うるさい。
ただこの講習会多かったり少なかったりすることがあるようで、やはり土日は多いように感じた。それと、どうも午前と午後の部があるようで、その間は比較的静かだ。
またこのエリア、4島めぐりの見物ポイントになっているようで、私たちが行ったときには、少し沖に止めた船から降りて、浅瀬を歩き、岩場の取り付きに沿って歩いている観光客がとても多く、なおかつ、彼らはビレイなんて知るわけもないから、ロープも意識せず歩いてくるので、なかなかに怖かった。
でも、干潮になるにつれ、船の数も減り、観光客も減っていった。
⑤プラナンビーチの岩場 Pra-Nang BeachとEscher Wall
Muay Thaiエリアから右に曲がっていく道を10分ほど進むと、誰しも知っているプラナンビーチだ。
ここにもクライミングエリアはある。
Pra-Nang Beach
やはり講習会が山のように行われている。
ここでも少し登ったが、下地がとても細かい砂なので、ロープや足の裏、全てのものが砂だらけになってしまった。
プラナンビーチをどんどん進むとEscher Wallのある岩塔が見えてくる。
この道は満潮になると、腰くらいまで海水に浸かる。
Escherへ
このビーチ、当たり前だが寝そべって日光浴している欧米人がとても多い。
その中をクライミングの格好で歩いているとすごく場違いな感じがした。
それでも、ときおり目に入ってくるトップレスの女性をチラ見しながら、汗だくになりながらビーチを進む。
Escher Wallには相当数のルートはあるが、やはり白眉はこのルートだろう。
370Minessota
Best Route In Minnesota 6c である。
⑥Escher Wallから洞窟を抜ける。
Minnesotaの脇を通って、洞窟の奥に分け入る。
ちょっと怖い感じはするが、足跡はいっぱいあるので心配することはない。
途中、いままで見たことのない景色が見える。
暗い洞窟の中から、青く光る海面を見るのはとても美しい。
自分の写真の腕では、その美しさを十分に表現できないのが悔しい。
そして展望ポイントへ。
実はこのポイントMinnesotaの裏側にある。
私が登ってロワーダウンしているときに、韓国からの観光客がここにいて、“You were fighting! (たぶん「頑張りましたね。」”と言ってくれた。
この先、道はあがり調子になり、真っ暗闇へフィックスが続く道がある。
その先には梯子があるのだが、ここは明かりがなければ何も見えない。
それでも10mくらいあがると、日差しが戻り、懸垂ポイントが現れる。
懸垂ポイント
ここから約20mの懸垂で降り立つところがThailand Wallの取り付きだ。
岩場へのアプローチ_アオナンノースウオール
1)全体像
トンサイビーチはライレイビーチの並びに存在するビーチであるが、ライレイの奥には世界的に有名なプラナンビーチがあるので、訪れる観光客はライレイに比べて圧倒的に少ない。そのせいでクラビビーチに戻る船もかなり少ない。
このことは注意すべきであろう。
ここでは、ライレイビーチからトンサイビーチに向かう行程を述べて、トンサイの岩場の紹介をしたい。
2)行程
①ライレイビーチをThaiWand Wallのある岩峰の方向とは逆の方向(北西)に歩いていく。
途中ライレイからアオナンに向かうボートのチケット売り場、兼待合所を右にみて進む。
②そのままビーチを進むと、砂浜が山の中に吸収される。
そこを一部水に浸かりながら進む。
ライレイからトンサイへ
ここでは潮の満ち引きによって、全く濡れないときもあるし、腰まで水につかることもある。
③10分ほど山道をアップダウンで進むと大きなビルを傾けたような壁が見えてくる。
④これを過ぎて左に階段状の岩場を下ると、トンサイビーチである。
ライレイビーチの端で山道に入るところから、ここまでの時間は約15分ほど。
3)エリア紹介
①Ton-Sai Roof
トンサイルーフ
トンサイビーチを歩いて進んでいると、このルーフが目に入る。
ここは高難度ルートがひしめいている。
その左にはTon-Sai Beach Wallが続いている。
トンサイビーチウオール
②The Nest
トンサイビーチを西のはじまで来るとこの建物がある。
トンサイ切符売り場
これはアオナン行きのボート 乗り場。
この建物の前の道を右に折れ、5分くらい歩くと、左手の森の中に現れるのがThe Nestというエリア。
The Nest
写真はCarline’s Last Dayというルート。6aだ。
③Fire Wall
先の切符売り場の奥に踏み跡がある。
これを行くとフィックスロープのある岩場に出る。
そこを15mほど登ったところが、Fire Wallの取り付きだ。
ここには超人気ルートがある。
The Groove Tube 6a だ。
見た通り、石灰岩がチューブ状になっており、そこをステミングしながら登るという、特異なルートだ
このルートはいつも講習会でトップロープがかけられて登っている人がいる。
私たちが行ったときも、スペイン人パーティ5人と、韓国人パーティ6人が順番待ちをしていた。幸い韓国人が私たち二人に譲ってくれたので、待ち時間が少なくて済んだが、それでも1時間くらいは景色を見ながら待っていた。
それほど人気が高い。
実際に登ってみると、非常に快適で良いルートであることが実感できる。
岩場へのアプローチ_アオナンノースウオール
1)全体像
別稿で述べた通り、この岩場はアオナンビーチ周辺のホテルから歩いて行ける距離にある。
ライレイやトンサイのエリアに行くにはボートを利用するしかないので、貴重な岩場だ。
開拓されて間もないので、トポなど参考情報が少ないという点は否めないが、下記に述べるメリットを持っている。
・まだ涼しいうちにクライミングを開始できる。
ボートは朝8時しか営業しない。また、8時を過ぎると日差しが急激に日差しが強くなる。
たとえば7時なら外を歩いていても涼しい。そのうちに登ることも可能だ。
・クライミングに集中できる
ここは観光客が来るようなところでもないし、講習会が開かれるような岩場でもない。
かたやライレイやトンサイは観光地そのもの。
・とにかくスケールがでかい。
おそらく60mロープでは長さが不足するルートが多いと思われる。
それくらい長いルートを満喫できる。
「おそらく」「思われる」と表現したのは、現在のトポにロープスケールが書いていないから。
最新状況は以下のサイトで確認することが得策と思われる。
theCrag: the largest collaborative rock climbing & bouldering platform
2)行程
文字で説明すると分かりにくいと思われるので、自分が行ったときのログを貼り付ける。
アオナンビーチ近くのホテルからだとだいたい30分くらいだろう。
(ログには45分とあるが、岩場に着いてエリアを見学していた時間も含まれる。)
3)エリア
東から“Mythical Beasts(幻の獣)”
“Jurassic X-mas”
“Life of Leif(レイフの人生)”
“Rock’n Roll”
の四つに分かれている。
それぞれのエリアの横幅は50m以上ある。
一番高いルートは48mとトポに記載があった。
4)ルート
①全体像
今回半日だったので、4本しか登れなかったが、クリップ数が平均15と、どれも長いルートだった。一部を紹介する。
②個別紹介
Keep Yourself Alive 6a+
見た通りの長いルート。13クリップ。
Thunderstruck 6b
惜しくも途中でルーファイを間違え、宿題になってしまったルート。
なんと17クリップもある。